金:バブルのエピソード

(2006/03/03)

儲け過ぎ・・・

証券会社は、顧客が売買をしてくれることによって、手数料収入を得ていますが、手数料収入を増やすにはどうしたらいいでしょう?

従来の対面型証券会社では、証券マンが、株の売り買いをお勧めして、その手数料を稼ぎ出すので、顧客を株で「儲けさせる」ことが、手数料を増やすには最も効果的な方法です。

当たり前の話なのですが、儲かっていれば証券マンも勧めやすいし、顧客も次の取引に応じやすい。顧客は儲かってハッピー、証券マンは手数料が稼げてハッピー、ですね。

では、顧客を儲けさせればよいのか?というと実際にはそんなに単純ではありません。

新人の頃、よく課長が

「あのお客、儲け過ぎだなー」

とよくぼやいたものです。

「儲け過ぎ?」

はじめはよくわかりませんでした。顧客が儲かってハッピー、自分たちには手数料が稼げてハッピーではないのでしょうか。

自分のお客さまを持って、そこそこ取引をしてきてようやくその意味がわかってきました。

ちょっと例を挙げてみます。新規公開株の抽選に当たった、とある社長との会話です。

SMA
「社長、この前の新規公開株はよかったですねー何しろ倍になりましたから・・・儲かったじゃないですか。そろそろ次ぎ買いませんかー」

社長
「とりあえず売って現金に換えておくよ」

SMA
「えっ?次もいい株ありますから買いましょう!」

社長
「そんなー、結構儲かっちゃったからもう満足だよ。また公開株持ってきてくれよ」

SMA
「新規公開株は抽選に当たらないと・・・」

社長
「だったらそれだけやるから、また抽選出しといてくれー」

そうなんです。

株の世界は、儲かったり損したりするから株であり、そのスリルを証券マンと一喜一憂するからこそ、次の取引へと続けていけるものです。そこが、証券マンの楽しさであり、仕事です。

ところが、お客さまは、儲け過ぎると、それが当たり前になって、儲かるか儲からないかわからないような取引に手を出さなくなってしまいます。それでは証券マンとの一喜一憂がなくなってしまい、単純に儲かる確率のかなり高い取引にしか手を出さなくなってしまうのです。

新規公開株の入札だけやっていたら、100回出しても1回当たるかあたらないか・・・それでは手数料なんて証券会社にはこれっぽっちも入ってきませんね。

証券マンが奨める銘柄が連戦連勝!というのもちょっと考えものです。顧客はいつしか「儲かって当たり前」っという錯覚に陥って、一回でも損を出すと、「だまされたー」みたいに反感を買ってしまったりするときもあります。

お客さまは儲け過ぎると証券マンのいうことを聞かなくなるんです。

「過ぎたるは及ばざるが如し」

適度に儲けて、たまには損もするくらいが証券マンにとっては本当はちょうどよかったりするのです。

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