◆誰もが知りたかった投資テクニック

(2010/04/30)

意外と知らない人民元について

北島康介の2大会連続2つの金メダル獲得に沸いた北京オリンピックから2年。今度は、北京に並ぶ中国のもうひとつの都市上海で、史上最大規模の博覧会『上海万博』が、この4月30日から開催されます。

現在、世界の総人口の約20%、13億人超の人口を抱え、GDPは日本を押しのけ米国に次いで第2位の座をほぼ手中に収めた中国自動車の販売台数は1,300万台を超え、世界最大の自動車消費国になったというニュースも記憶に新しいところですが、一方で世界最大の輸出大国でもあります。

成長著しい中国ですが、意外と知られていない『人民元』について解説します。

そもそも人民元とは、中国通貨であるのですが、$や円などと違って、外国為替市場で自由にレートが決まる通貨ではありません。

実際に、銀行などが人民元$や円等、他の通貨に交換するときには、中国人民銀行が独自に決定したレートで交換することになっています。現在の実勢レートは、

1$=約6.8

にて固定されています。

このことは、どういった影響を及ぼしているのでしょうか。

通常、通貨の価値、すなわち為替レートは、その国の経済成長や貿易収支金融情勢に左右され、外国為替市場において、取引需給に応じて刻々と変化しています。

本来、中国はその経済力、生産力の成長性から、通貨である人民元は高く評価されてしかるべきであり、それによって貿易均衡が保たれるべきなのですが、上記のようにそのレートを人民銀行が固定しているため、人民元は政策的に過小評価されているのです。

なぜ、中国は、通貨が過小評価される政策を、とっているのでしょうか?

中国が、海外から原材料や製品を購入する場合において、人民元が安いことは、中国にとって不利益を生じますが、現在中国は、世界の工場といわれるほどの輸出大国であり、米国への輸出超、すなわち対黒字は、日本を大きく上回る世界第1位となっています。

とりわけ、2008年秋のリーマン・ショック以降、世界経済が落ち込み、中国の輸出の伸びが突出しており、人民元が安いことが、中国製品の国際競争力をより有利にさせています。このことを単純に説明すれば、先進諸国は、同じものを買うときに、自国内や他の国から購入するよりも、安い人民元中国から買う方が、より安く買うことが出来るため、中国製品の輸出が拡大するという仕組みなのです。

では、人民元はいつまでも今の水準でいられるのでしょうか?

赤字を抱える米国を初めとする先進諸国からは、自国の輸出を伸ばすために、人民元に対する切り上げ圧力が次第に高まっています。

一方、中国国内においても、インフレ懸念を弱めるために、輸入物価の押し下げ効果のある人民元切り上げに肯定的な見方もあります。

人民元の切り上げは、時間の問題との市場予想が強まっています。

かつて日本は、1971年まで1$=360円の固定相場を維持していましたが、変動相場制に移行し、その後、日本は、高い生産性と成長力を武器に、経済を発展させ、対輸出をはじめとする輸出大国へと成長していくにしたがい、円はその価値を高め、現在は1$=90円台、実に4倍程度までその価値を切り上げています。

もし仮に人民元が切り上がれば、世界経済に大きな影響を及ぼし、短期的には、中国株式市場の調整が予想され、円相場や国内株式市場にも、警戒が必要かもしれません。

しかし、長い目で見れば、中国への投資は、中国経済の成長に伴う、中国株価の上昇期待に加え、人民元為替上昇の期待も見込めるということになるのではないでしょうか。

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■第一生命保険上場の効果その2
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■相場の様相が変わってきた・・・
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