◆誰もが知りたかった投資テクニック

(2010/08/17)

円相場の見方

株式市場に大きな影響を与える指標として、$/円相場があります。

現在の円相場は、昨年11月のドバイショック時に記録した、84.82円を一時割り込み、約14年前の1995年4月19日に記録した、79.75円の史上最高値以来の円高が進行しています。おおむね、2010年現在の円相場は、100円以上の水準では、円安、90円以下の水準では円高との判断がなされていますので、現在は極端な円高水準といえるのです。

では、この円相場はどのような仕組みで価格が決まっているのでしょうか。

円相場に影響を与える、要素はさまざまですが、わかりやすい見方としては、日金利の動向があげられます。

通貨投資対象としてみた場合、金利の高い通貨を持っていたほうが、将来のリターンが大きくなるため、有利と考えられ、そのため、金利の高い通貨(高金利通貨)が買われます。

しかし、経済成長率や、その国の財政事情等から、単純に金利の数値のみで判断されるわけではありません。

では、どのように、見ればいいのでしょうか。

わかりやすい見方として、日金利差を尺度とする方法があります。

では、具体的に説明します。

金利には、短期金利長期金利がありますが、日ともに低金利政策を取っており、短期金利は実質ゼロ金利、両者に差がない状況になっています。

そのため、長期金利を測ることとします。

長期金利の代表的な指標は、国債のレート。ともに10年国債金利及びその金利格差を確認します。

実際に、2010年前半の動向を調べてみましょう。

1月の後半、1$=90円前後で推移していた頃の、日長期金利を確認すると、1月26日の朝の状況は、以下のとおりです。

10年国債:3.630
日10年国債:1.335
金利差:2.295
$/:90.22

その後、経済指標が好調に推移し、景気に対する楽観的な見方から、$が買われ、4月5日に、今年の安値94.70円を記録します。当日、NY市場が休場であったため、翌朝の状況を確認すると以下です。

10年国債:3.994
日10年国債:1.380
金利差:2.614
$/:94.31

日本の金利水準は、それほど変化がないものの、米国長期金利は4%に迫る水準。日金利格差は、2.614%に拡大しています。すなわち、1月後半のときと比べ、金利が相対的に高くなったため、$が買われているということがいえるのです。

その後、欧州経済危機に対する警戒から、が買われ、5月21日に90円を割り込み、89円前半まで円高が進みました。当日朝の状況は以下です。

10年国債:3.264
日10年国債:1.255
金利差:2.009
$/:89.06

日本の金利水準も低下しているものの、それ以上に、米国長期金利が下がり、金利格差は2%ギリギリとなりました。すなわち、4月前半の頃に比べて、金利が相対的に低くなったことから、$が売られているのです。

そして、現在8月の水準ですが、8月17日朝の状況は以下です。

10年国債:2.575
日10年国債:0.945
金利差:1.630
$/:85.30

日本の長期金利は、1%を割り込む、超低金利水準になっているものの、それ以上に、米国長期金利の下落幅が大きく、2.5%台。日金利格差は、2%を大きく割り込み、1.6%台に縮小しています。そのため、相対的に低金利となっている$が、ますます売られているのです。

米国の低金利政策は、今後も継続されるとの見方が強く、一方で、日本の金利は、下落余地がほとんど残されていないことから、今後も日金利差が縮小し、円高が進行するのではないかという見方が出来ます。

反面、米国金利に明るい兆しが見られ、低金利政策解除ともなれば、日金利差が拡大し、円安に反転するということになるのです。

当サイトMorning Report(無料)では、前日の日の10年国債レートとその金利差を毎朝配信しています。また過去の履歴も掲載していますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

次回は、この円相場株式市場に与える影響について、取り上げたいと思います。

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