◆誰もが知りたかった投資テクニック

(2010/10/12)

円相場株式市場に与える影響

株式相場に大きな影響を与える円相場ですが、ほとんどの投資家が、円高イコール悪材料、株式相場下落と認識していることでしょう。

9月16日に、政府・日銀は重い腰を上げ、行き過ぎた円高を是正すべく、為替介入を実施。一時的に円相場は、円安に振れ、株式市場も大きく反発をしたのは記憶に新しいところかと思います。

ここで、円相場株式市場に与える影響について、確認してみましょう。

日本は、国内に資源が乏しく、海外から調達した材料・資源を国内の優れた技術で加工し、質の高い製品として海外に輸出することで、経済大国としての地位を確立しています。

おもな輸出国は、であるため、米国の通貨$で決済した場合、円安のほうが、受け取る円の金額は大きくなります。

例えば、1$=100円で、100$の製品を輸出したとしましょう。この場合、決済額は日本円にして、10,000円となります。しかし、円高が進行し、現在の円相場のボーダーラインといわれている、1$=80円で決済した場合、同じ100$の製品を輸出した際に受け取る売上は、8,000円にしかなりません。

したがって、円高は、輸出関連企業売上減少というデメリットを招くことになります。

よく、ニュース等で、為替が1円円高になると、トヨタホンダが数億円の損失を被るということが、報道されていますね。

また、円高イコール悪材料のもう一つは、デフレ要因であるといわれています。

一般の消費者は、円高になると、輸入商品を安く購入することができるため、円高還元セール等、円高メリットを受けることができます。このことは、企業においても同様で、製品の原材料や資源等を安く調達できるため、メリットがあります。

しかし、このことは、製品価格、すなわち物価を押し下げる要因となり、結果として、デフレが進む、要因と考えられています。

モノが安く買えることは、本来よいことであるように思えるのですが、すでに物質的な豊かさを実現している日本では、価格が低下した分に見合う以上に、消費が進むことはなく、価格低下がそのまま、国内消費の減少、すなわち経済成長の鈍化に直結してしまっています。

これらが、円高イコール株式市場の悪材料といわれるゆえんなのです。

世界経済の中心である米国が、オバマ政権のもと輸出倍増計画と銘打って、$安を国策としていること、それに対し、政府・日銀円高対策は、これ以上打つ手が乏しい点から、円高の進行を止めることが難しく、現在の円高基調が当面続くものとの見方が多くなっています。

では、今後も株式市場は低迷を続けることになってしまうのでしょうか?

いいえ、必ずしもうそうとは言い切れません。

株価は、投資家が、株式を売買することで、上昇、下落を繰り返します。

円高は、株式市場に影響を与える要因のうち大きなものであることに変わりはありません。しかし、円相場だけが、株式市場の上昇下落をつかさどっているわけではないのです。

円高が、株式市場の悪材料ということは、これまでさんざん言われ続けてきました。この文章を読んでいる読者も、もうそんなこと当たり前だから、いまさら言われなくても…と飽き飽きしているのではないでしょうか。

そうなのです。株式市場にとって、円相場という材料はすでに、聞き飽きており、材料出尽くしととらえることができるのではないでしょうか。

実際に、2010年の株式市場日経平均の最安値は、今のところ9/1に記録した、8,796.45円。当時の円相場は、85円前後でしたが、その後も円高基調は継続し、10/12には81円台に突入しています。しかし、日経平均は、9,500円前後の水準を保っています。円相場が80円を割り込んでも、日経平均、9,000円の大台を割り込むことはない、という見方が大半です。

見方を変えます。

日本をはじめ、現在世界中が金融緩和の政策を打ち出しており、市場にはマネーがあふれています。あふれたマネーが、資源や金などに向かって、商品市場が高値を更新していることは、多くの投資家に知れ渡っています。

モノの価格が上昇する、このことは、インフレを誘発し、日本経済にとってプラスに働くかもしれません。また、資源の価格が高騰する中、強い円を武器に、有利な条件で、資源、原材料を調達できる日本企業は、世界的に競争力が増すことも考えられます。

金市場には、マネーがあふれているのですから、いつそれらが、日本株に戻ってきてもおかしくはないのです。

今後急速に円高が進むことで、株式市場が、大きく売り込まれる可能性がないとは保証できません。しかし、円高イコール株価下落という単純なシナリオではないように思えてはきませんか。

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