華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」:第5回

第1章:今、円は高リスク。資産運用を「開国」せよ

第5回

■政策的に、円の価値は目減りさせられる

そこで、日本政府がこの先、これだけの債務を償還するために打ってくる手は何かというと、まずはどこかの段階での増税でしょう。

しかし、先の参議院議員選挙の際、菅直人首相が消費税の増税を口にしたことで選挙に大敗したとおり、増税に関しては国民の反発が非常に大きいのも事実です。これだけ景気が悪く、収入も減り続けているときに、税金だけが高くなっては、ますます日本人の生活は苦しくなり、消費は減少し、景気はさらに悪化し、法人税収も落ち込むデフレスパイラルに陥ります。長い目で見れば、増税はどこかで必ず実施されますが、政策的に行わない可能性もあります。

そうなると、財政健全化のために、実質的な債務を目減りさせることを考えないといけません。もちろん、国債の発行量を抑制することは基本ですが、今すでに存在する債務を目減りさせる手段として、今後、政府は大きな方向性として、インフレ政策、そして円安誘導という方向に舵取りするはずです。

コントロールされたインフレは、通貨の価値を下落させ、債務を縮小させますし、円安は、日本の基幹産業である輸出関連企業の収益を上昇させます。落ちている経済力が復活して、財政の立て直しにも寄与するでしょう。

ただ、一つ間違えると、円安による原材料の輸入価格の上昇は、激しいハイパーインフレを招く危険性もあります。この政策は、円安とインフレのバランスを上手に舵取りする必要があり、それは決してたやすいことではありません。

今の政治状況はどうでしょう。

これだけの困難な状況を、上手く舵をとって乗り切っていくパフォーマンスを発揮できると自信を持って言える人は一体どれだけいるでしょう。

民主党であれ、自民党であれ、目先の政争に終始し、政治の実態はずっと空洞化したままです。リーダーが次々と入れ替わる状況を見ると、政治家たちが先を見据えて、日本を正しい方向に導くリーダーシップを発揮できるとは、とうてい思えません。そうなると、この先も、日本に急激なハイパーインフレが起きないとは、もはや誰も断言はできないでしょう。

最悪のシナリオである財政破綻が避けられたとしても、ハイパーインフレが起きる可能性もあり、たとえ回避できても、日本の政策は円安とインフレの方向を目指して進んでいくことになるでしょう。いずれにせよ、そうなると円の貨幣価値は目減りし、国の実質的な債務自体も少なくなりますが、それは同時に私たちが持つ円建ての資産の価値も目減りすることを意味するのです。

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