華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」:第8回

第1章:今、円は高リスク。資産運用を「開国」せよ

第8回

■他国の外貨準備運用

一方、他国は、積み上がった外貨準備をSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド=国富ファンド)などの形で積極的に運用しています。

SWFとして代表的なのは、運用資産額が約8750億米ドルと言われるアブダビ投資庁と、シンガポールのGIC(シンガポール政府投資公社)とテマセクです(二機関の運用資産は合計約4,900億米ドル)。また、2兆米ドル以上の外貨準備を持つ中国も、必要な外貨準備額は8,000億米ドルで十分だとし、2007年に約2,000億米ドル規模の中国投資有限責任公司(CIC)というSWFを創設しています。その他、ノルウェー、サウジアラビア、ロシア、クウェート、カナダなどが1,000億米ドル以上のSWFを持っています。

従来、SWFの投資先は、米国債が中心だったのですが、近年、地域的には米国のみならず、欧州やアジア新興国などにも拡がり、ポートフォリオも債券や株式にとどまらず、企業買収、不動産、資源、商品などへと多様化しています。

2008年の米国発のサブプライムローンによる金融危機の際、SWFが投資銀行やPE(プライベート・エクイティ)、ヘッジ・ファンド、不動産などの主要な投資家となったのは記憶に新しいところです。

SWFは、資源売却や外貨準備などの余剰資金を財源としており、返済・利払い義務を負っているわけではないので、リスク許容度が高いのが特徴です。また、多少流動性が低い資産に対しても、戦略的な観点から中長期投資を行うことができます。中央銀行の公式な外貨準備などとは別の形態で運用されるため、多様な投資運用が可能であり、外人部隊を活用するなど、運営の自由度も高いのも特徴です。

日本においても、一時、このSWF創設の議論が起こりましたが、財務省は運用に関して、基本的には安全性・流動性を重視すべきという姿勢を崩さず、結局、尻すぼみで現在に至るまで実現していません。ここでも日本政府は「事なかれ主義」で、「自分で考え判断し、リスクを見極めつつ長期的な投資をし、投資先に関与してリターンの最大化を狙う」というような投資姿勢はまったく見られません。

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