華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」:第10回

第1章:今、円は高リスク。資産運用を「開国」せよ

第10回

●シンガポール政府投資公社(GIC)

1981年に国内外へ投資をする実行部隊として、当初はテマセクの子会社として誕生しました。現在ではテマセクと対等の存在で、スタッフ数もテマセクの380人に対し、1,000人を超えています。

投資の原資は、主に外貨準備です。テマセクは企業投資が主ですが、GICは不動産を中心に、株式から商品まであらゆる投資を行っています。日本でも汐留シティセンター(1,600億円)、ウェスティンホテル東京(770億円)、ホークスタウン(1,000億円)などの大型不動産投資を行っています。東京を含め、世界各地に9拠点を持ち、資産規模は3,300億米ドルと言われています。資産運用に関しては、投資銀行等からスカウトした外人部隊の登用に加え、自前の教育機関であるGICスクールを設けて金融人材の育英に努めています。

決算は発表していませんが、リー・クアンユー会長は2006年に過去25年の平均利回りは9.5%だったと公表しています。

大型の出資をすることが多く、プライベートエクイティへの投資も活発に行っており、カーライル、ブラックストーン、テキサスパシフィックグループなどにも出資しています。

今まで見てきた通り、数十年に渡り、政府系機関であるテマセクが17%、GICが9.5%もの利回りを出しています。

両社は、投資に際して正に「王道」を歩んでいます。自分で考え、他者の力も借り、リスクを見極めて長期的な投資を行い、そして、投資先に積極的に関与して価値を上げています。

結果として高いリターンを得ており、今後ともシンガポールは、国民の資産を減らすことなく、国民生活を長期にわたって向上させることができるでしょう。

我々は政府のやるべきことは非営利目的で、なおかつその事業は非効率であるという先
入観を持っていますが、シンガポールではまったく事情は異なります。

民間か政府かに関わらず、世界中から優れたものを採り入れて、国家の繁栄のために持てる力や智恵を使い抜いています。

シンガポールはある意味、中華民族、そしてチャイナマネーの一つの究極の姿だと言えます。

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