華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第2章】:第9回

第2章:世界に飛び出すチャイナマネー

第9回

■可処分所得の増加と灰色収入

高い経済成長率を背景に、中国人の所得も上昇の一途をたどっています。中国全体(都市部)と上海における可処分所得を見てみましょう。中国全体で、毎年可処分所得が上昇しています。先に豊かになった沿岸部を代表する上海の可処分所得は、さらに急速に上昇しています。

1980年の段階で、1人あたり可処分所得は、中国全体(都市部)で478元、上海では637元でした。当時、上海と全国平均では、額で160元程度の差がありましたが、この差はどんどん開き、2009年では1万2,000元近くにまで広がりました。上海のみならず、深.や北京、広州、天津といった沿岸部大都市も、同様です。

もっとも、先に述べた統計上の数字では、説明できない現象があります。2009年の上海における1人あたり可処分所得は2万8,838元です。たとえば、多くの中国人が海外旅行に行くようになりましたが、統計で見られるこの程度の可処分所得の水準では、海外で思い切り買い物ができるわけがありません。また、現在の中国では、メルセデス・ベンツやBMW、アウディといった高級乗用車が数多く走っていますが、これらもとうてい統計上の可処分所得で購入できるような代物ではありません。

投資市場で正当に得られた収入も膨大なものですが、一方で、中国には「灰色収入」と呼ばれる取得元が不明な資金や、結婚式をはじめとする各種お祝い事のときに渡される違法と判断しにくいようなお金、正規雇用以外で得られた副収入などもかなりの額であると言われています。

もちろん、このようなお金がどれくらいあるか正式に発表されることはありません。私が見聞きした中で言うならば、中国における灰色収入の規模は20兆元規模で存在し、2008年には5兆元超があったそうです(同年のGDPの20%に相当します)。灰色収入の多くが共産党幹部や高所得者層に集まっています。灰色収入の規模は経済成長率を上回るペースで拡大しているという説もあります。

このようなお金があること自体、日本人にとっては受け入れがたい事実かもしれませんが、中国では、これが「お金がお金を生む」原動力になっている側面があると思います。つまり、このような出所不明の資金が次節で述べる不動産市場や株式市場に流入していると考えられます。これから世界に向かおうとしているチャイナマネーの中には、このようなよくわからない資金というものがかなりの量で含まれているということを知っておいたほうがよいかもしれません。

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