華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」:第11回

第1章:今、円は高リスク。資産運用を「開国」せよ

第11回

■リスク回避、目減りの防止には海外投資を

円資産の目減りを防止し、万が一、日本が財政破綻しても、そのリスクを軽減できるリスク対策を打つことが重要となります。

普段、意識することはあまりありませんが、ほとんどの日本人は、自分が思っているよりもずっと大きな「人的資本」を持っています。働き続ける限り、総額に直すと億を超える収入を得ることになるでしょう。これは、我々日本人が世界でも最も豊かな国の一つに生まれたという幸運に恵まれたからです。

しかし、それは円ベースでの収入です。この資本のすべては、日本という市場に投資されていることを意味します。日本の労働市場から収入を得つつ、国内の株式や債券、不動産だけで資産を運用するというのは、人的資本と金融・不動産資産を「一つの籠に盛る」ことになります。

分散投資による資産最適化を考えるならば、この極端に偏ったポートフォリオを是正すべきです。バランスをとるためには、リスクの高い円建て資産だけに目を向けず、多くの資産を海外市場に投資するべきでしょう。

バブル崩壊から現在まで、日本の株式市場は低迷し続けましたが、世界に目を向けるとまったく違う風景がありました。同じ時期、世界の株式市場は年率5%を超える成長を続けていたのです。日本経済の長期低迷と世界経済の成長という好対照は、分散投資の必要性の見事な実例となっています。

日本の投資家は、意識が「鎖国」状態にあり、自国に全財産を投じることを当たり前だと思っていたために、このことに気づかなかっただけです。世界を見渡せば、利回りが6から8%で、なおかつ安全性の高い投資はざらにありますし、欧米諸国では個人が10%程度の運用益をあげることは珍しくありません。日本人でも、知識とノウハウ、それにリスクをとることを恐れない積極性さえあれば、海外市場と円以外の通貨でその程度の運用利回りを手にすることは十分可能です。

■必要なのは、円を海外に持っていく勇気

日本経済の拠り所は、1,500兆円とも言われる個人預金にあります。しかし、この預金があることをいいことに、日本政府はこれまで赤字国債をこれでもかというほど発行し、財政赤字を積み上げてきました。

今頼りの個人資産が海外に出ていってしまっては、日本政府は非常に困ります。ですから、日本政府は、個人資産である円資産が、海外に流出することを非常に警戒しています。

たとえば、200万円以上の現金を海外送金しようとすれば、金融機関の窓口では、必ずその使途を聞かれ、金融当局にそれが報告されます。これは、そうすべしという内容の通達が財務省から出ているからです。個人が数百万円程度のお金を海外送金しても、たいしたことではないはずですが、日本政府としては、そのくらい円の海外流出を防ぎたいのです。

このような政府の動きを逆に考えれば、国民が円資産を海外に流出させることは、もはや当然の流れに見えているということの証しでもあります。我々は、まず自分の資産を守り、また、少しでも資産を増やしていくために、今すぐにでも、円の資産を外貨建てに移すべきだと思います。この先、本格的に円の資産が海外に流出すれば、日本政府も、今度こそ本気で、国債発行額を減らし、増税に踏み切らざるを得ないでしょう。個人が円資産を海外に流出させることは、そういう意味では、日本の経済の自浄作用を促すことにもつながります。

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