華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第2章】:第11回

第2章:世界に飛び出すチャイナマネー

第11回

■上海不動産市場の動向

1997年のアジア通貨危機を経て、2000年以降、中国国内の不動産、住宅市場が活況を呈してきます。同時に、中国国内で住宅ローン制度が整備され、政府もキャピタルゲイン課税を免税化するなど、積極的に国内不動産への投資を受け入れようとしました。

私が前著『人民元で大儲け!』(あさ出版)を共同執筆したのは、まさにこの頃でした。人民元の切り上げを目前に、不動産価格は高騰しました。中国人実需層の投資に加え、欧米、香港、日本、シンガポール、韓国などからも投資マネーが入り、不動産価格は上昇を続けました。

そこで、中国を代表する不動産市場である上海の新築住宅の価格を見てみましょう。

2000年以降、上海の住宅価格は、若干の調整を繰り返しつつ、安定的な上昇基調が続いてきました。おかげで、前述した拙書を買って行動を起こした読者は、思惑通りに大儲けができました。不動産価格だけでも3倍近く上がったうえに、通貨が切り上がったことで為替差益が発生し、ローンを使ったレバレッジも効いたからです。

しかし、中国政府は、リーマンショックの3年前には、すでに過熱し始めていた不動産市場のバブルを警戒して、徐々に引き締め政策を導入し、しっかりと市場の舵とりを始めていました。2005年、免税化していたキャピタルゲイン課税を復活し、人民元を切り上げると、2006年には、不動産投資への外資の規制を発表しました。これにより、中国国内に1年以上居住していなければ、中国の不動産には投資できないようになりました。この政策で、事実上、中国に居住しない外国人は中国不動産に投資ができなくなりました。

2010年9月、中国政府はローン利用の厳格化を通達しました。これに呼応する形で同年10月、上海市政府は、一定期間、新規に購入できる住宅を1世帯1戸に限定する政策を発表しました。これにより、投機性の高い高級物件の流通性が低下することが予測されるため、取引量の下落は避けられない情勢となっています。なお、この政策は、上海以外の中国沿岸部の主要都市(北京・大連・天津・杭州・寧波・南京・福州・広州・深.など)でも始まっています。当コンテンツを執筆している時点では、上海の住宅価格の上昇率は落ち着き、下落に向かい始める様相となっています。

2000年以降、中国人の間には「不動産は必ず儲かる投資先」としての認識が広がりました。増大した所得と投資で得た資金が不動産市場に流れ込む様子を見て、「中国不動産はバブルであり、いずれ日本のように弾ける」と考えるチャイナウォッチャーも多くいました。実際のところ、中国不動産はバブルなのでしょうか?

これまでの投資ノウハウ【第2章】

第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回

華僑・中国人の投資ノウハウTOPへ


金融株式投資情報TOP