華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第2章】:第12回

第2章:世界に飛び出すチャイナマネー

第12回

■日本で揶揄される中国不動産のバブルは?

中国が1990年からの20年間、高い経済成長率を保ちながら、不動産価格を上げていったとき、ちょうどバブル崩壊を経験した日本人は、隣人のこのような経済成長を恨めしく横目で見ながら、「いずれ中国も近い将来、バブルが弾けるさ」と言い続けていました。

それはまさに「他人の不幸は密の味」というねたみにも似たコメントで、決して合理的根拠のあるものではありませんでした。中国経済は高い経済成長を続け、何度か、調整局面はありましたが、不動産価格は上昇基調で推移しています。そして、バブルが弾けるという事態には陥りませんでした。中国の不動産価格の高騰は本質的に日本のバブルとは構造が違っているのです。

日本のバブルは金融当局の失敗によるものと言ってもいいでしょう。経済がまったく成長していない中で、マネーサプライだけが増え続け、さらに低金利政策が長く続きすぎたところに、土地への投資抑制政策を導入して急速に蛇口を閉めたために、不動産価格の暴落が起きてしまいました。これが日本のバブル崩壊の姿です。

しかし、中国の不動産価格上昇には、確実に経済成長を伴っています。中国にも同様のバブルが訪れると言い続けてきた日本人も、ここにきてようやく論調を変えています。つまり、中国の今の状況はバブルではなく、本物の経済成長なのだと。

もっとも、前掲した上海の新築住宅価格のグラフを見ると、上がるというときは一気に上がり、調整するときはしっかりと調整する、という極端な動きになっています。それは中国には投資商品が少なく、投資マネーが分散化されていないため、投機的な動きが発生せざるをえない構造であるからです。したがって、瞬間的にはバブルになっている場面もあります。しかし、長期的なトレンドで見てみると、おおよそ経済成長率と同じカーブとなっており、バブルが弾けるといった大きな問題にはならないのです。

その背景には、中国政府の巧みな政策があります。市場が加熱すると引き締め、失速しない程度に再び緩和する。通貨がまだ自由化されていないこともあって、政府の繰り出す金融政策は、海外市場の影響を受けずに思った通りの効果を発揮します。

さらに忘れてはならないのが、中国の不動産市場には、これから住宅を初めて取得する「一次取得者」の数が圧倒的に多いということです。日本のバブルは、すでに住宅供給が国民に行き渡ったあとに起こったものでした。中国には、膨大な人口が下支えとなる実需層が非常に厚く存在しており、住宅購入を必要とする人びとがまだまだ圧倒的多数です。

2008年には北京オリンピックがあり、2010年は上海万博、そして10年後の2020年までには上海に国際金融センターを創設すると宣言しています。つまり、中国政府はそのときまでに人民元を実質的に自由化することを公約しているのです。少なくとも、その時点まで、中国政府は意地でも、今の経済成長をバブル崩壊のような事態で終わらせるようなことにはしないでしょう。我々は、中国政府の舵とりを見ながら、世界に飛び出すチャイナマネーの動きを追う必要があります。

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