華僑・中国人の投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第2章】:第14回

第2章:世界に飛び出すチャイナマネー

第14回

■人民元の切り上げ

チャイナマネーを考える上で、人民元の切り上げを語らないわけにはいきません。中国は、かつては外資の誘致を積極的におこなうことで自国の産業をテコ入れするため、また、モノを輸出して外貨を獲得するために「人民元安」に為替相場を誘導してきました。

制度的に説明するならば、1997年に発生したアジア通貨危機後、中国は表向きは管理変動相場制を標榜していましたが、実際は1米ドル=8.2765元前後に固定し、事実上の固定相場制・ドルペッグ制を採用してきました。

しかし、今世紀に入り、貿易赤字が蓄積された米国を中心に、「人民元のレートが不当に安く据え置かれている」という批判が続出するようになりました。

また、先に述べたように、中国では、外貨準備高が増加したことから、人民元の流通量も増大しました。これにより、インフレ圧力と資産バブルの萌芽が見られました。さらに、中国国内でのエネルギー消費量が急増する一方、人民元が安いままだとエネルギー資源の輸入価格が押し上げられるという現象も起きていました。

これらの情勢を鑑み、2005年7月、中国は人民元を対米ドル為替相場で2%切り上げ、前日比変動幅を0.5%に拡大しました。いわゆる「人民元の切り上げ」を容認したわけです(管理変動相場制へと移行)。これ以降、人民元の本格的な切り上げがはじまります。

人民元は切り上がり続け、2005年末で1米ドル=8.070元、2006年末で7.809元、2007年末で7.305元となりました。

しかし、2008年9月のリーマンショック前から、人民元は再び事実上のドルペッグ制に戻ります。1米ドル=6.83元前後で固定されましたので、人民元の切り上げを発表した2005年7月からリーマンショック前までに20%以上切り上がったことになります。

1米ドル=6.83元のドルペッグ制は、2005年7月の切り上げの際と同じような原因によって、2010年6月に再びゆるやかな上昇が始まりました。

人民元が切り上がる傾向は長期的なものです。今後も、「人民元は過小評価されているので切り上げるべき」という世界中からの圧力は続くとの見方が有力です。人民元は、世界の通貨動向の中でも非常に安定した上昇トレンドが予測できる通貨なのです。

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