華僑・中国人投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第3章】:第2回

第3章:日本を買うチャイナマネーの実態

第2回

■日本ブームは海外分散のほんの一筋

中国人が今、日本に来てどんどんお金を使っているのは、チャイナマネーの大きな流れの、ほんの「一部」なのです。大きな河から、ちょっとだけ枝分かれしてできた支流の1本が、昨今の日本ブームに他なりません。そのたった1本の支流だけを捉えて、日本のマスコミが騒ぐので、日本人はこの支流が本流だと勘違いしてしまうのです。

それでは勘違いすることなく、今一度、本当の中国人の姿を見てみましょう。

中国人たちは、先に説明したとおり、中国国内での投資のマネーを次第に世界中の不動産に分散しはじめました。

そうであれば、私たち日本人が見習うべきチャイナマネーの動きは、「日本に投資する」ということではなく、「リスク分散のために世界中に積極的に分散投資する」姿勢だということになります。

当社が上海で行った中国人向け日本不動産セミナーは、2010年の6月および7月に開催しましたが、それまでほとんど日本不動産に関するセミナーが行われてこなかったためか、予約が殺到しました。すぐに定員をオーバーする人気となり、急遽会場を変更したり、追加で日程を設定したりしました。日本不動産を紹介する前に、カナダ不動産やシンガポール不動産のセミナーを中国人向けにやってきていましたが、これらの国の不動産セミナーはすでに中国のいたるところで開催されていたためか、日本不動産ほどの反響があったことはありませんでした。円高の今、なぜ日本不動産に投資しようと考えるのだろうと、妙な気持ちになりました。

セミナー当日に聞くことのできた中国人の関心事項は、まとめると以下のようになります。

・日本の不動産を投資、購入すると、マルチビザや永住権が取得できるのか?

・日本の不動産は完全所有権と聞いたが本当か? また、土地付き住宅を購入できるのか?(シンガポールやタイなど、マンションなどの区分所有建物を外国人が買える国や地域でも土地は購入できません)

・ローンは使えるのか?

・相続税があると聞いたが、子供の名義で購入可能か?

・日本のマンションを購入する際の取得や保有の税金はどうなっているのか? キャピタルゲイン課税は?

・日本で購入した場合、賃貸管理はどうするのか? 管理費や納税はどうしたらよいか?

・今は日本の不動産は買い時と聞いたが、利回りはどうか? キャピタルゲインは出るのか?

などです。

これらの質問の中で、やはりビザとローンが一番関心事となっています。

ビザに関しては、観光ビザの規制は緩くなったものの、マルチビザがなければ、そのたびに申請しなければならないので、物件購入手続き(契約や決済、引き渡し)や、購入後の管理をしに行くにも大変だ、ということです。

また、海外での不動産投資において、非居住者に不動産購入を認めている国で、ローンを出さない国は、現時点で日本ぐらいです。

せめて不動産担保円ローンを利用することができれば、為替の損失をヘッジできます。円高でかつローンの利用ができない現状では、日本不動産投資に拍車がかからないのも仕方がないことかもしれません(日本の不動産を買わないとすぐにでも値上りする可能性があるので先に買っておいた方がいいという判断があれば別ですが)。

「日本の不動産価値は目減りするのではないか」「人民元は上がり続ける基調にあるし、為替で損が出てしまうのでは」と考えるのが一般的なのです。確かに円高の今、日本の不動産に投資することは、あまり得策とは思えません。しかし、中国人にとってみれば、それもリスク分散の一つなのです。中国人富裕層は、形成した資産を世界中に分散させることを最優先させています。

為替の動きが異なる複数の、海外の国や地域に投資して、リスクを散らすことこそが、狙いなのです。

自分の国を信じているか、いないかといった国民性の違いなど、背景の違いは日本人と中国人にはあります。しかし、これからのグローバル社会では、中国人のタフな生き方、世界を舞台にしてリスクテイクができるマインドは、「投資鎖国民」たる日本人の大いなるお手本です。これから長い目で見たときに、それを見習って投資することは、もっと国際人にならないといけない日本人にとって、必ずやプラスに働くでしょう。

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