華僑・中国人投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第3章】:第3回

第3章:日本を買うチャイナマネーの実態

第3回

■中国人にとっての日本不動産の魅力とは(1)

さて、中国人にとって日本は世界への分散投資先のほんの一部に過ぎないということは、おわかりいただけたと思います。しかし、中国人が、やはり日本にも何らかの魅力を感じ、買い物に訪れたり、不動産を買ったりしているのは確かなことです。一体、中国人の目には、日本の不動産の魅力というのは、どのように映っているのでしょうか。

中国人を対象にした日本不動産に関する投資セミナーを開催し、そのときの彼らの日本への関心、声を聞いていると、彼らの中では、やはり「日本はあこがれの国」なのだということがよくわかります。

日頃中国にいてビジネスをしている私から見ると、バブル崩壊後、20年間の失われた時を経た日本に対する信頼や、将来の夢や目標を失っているのは、日本人だけです。中国人は、これほど発展し、成功したアジアの大国・日本がこのままで終わるとは思っていません。いつか復活してくると考えています。

「いつかは日本人のような生活を手に入れたい」「老後は日本で暮らしたい」「いつかチャンスが来たら、日本の不動産を買って、安定的に運用してみたい」。中国人の心の中には、潜在的にそうした気持ちが、根強く残っているのです。そして、そういう彼らに、そのチャンスが巡ってきました。

中国の急速な経済成長とその間の日本の低迷により、中国人の富裕層にとって、あこがれだった日本の不動産が、いつの間にか手ごろに安く買える時代が現実にやってきたのです。

上海における住宅価格の動向については、前章でお話しました。日本と中国の不動産価格は、まさに好対照をなしていると言えるでしょう。

現在、上海の中心部における新築住宅の平均価格は、平米単価で5万元以上の価格をつけています(日本の専有坪単価に換算すると280万円以上)。中には、10万元以上の物件もあります。このような相場の中、急騰した上海の住宅価格と、下落した東京の住宅価格では、それほど差がなくなってきています。逆に言えば、それほど上海の住宅が高くなりすぎた感はあるのです。今の上海の住宅価格と比較すれば、世界の先進国の住宅は、すべて割安感があることでしょう。

日本の不動産がいつの間にか値頃感をもって見ることができるようになったときに、国内不動産の引き締め政策、そして、日本の中国人に対するビザの発給要件の緩和が後押しして、中国人の日本不動産への関心に火が点いたというわけです。

「いつかは日本に……」、そんなあこがれを持っていた中国人にとって、日本の不動産への投資は、ひょっとしたら純粋な投資というよりも、「日本が買えるようになった自分」への、ある意味、ステイタスや記念品的な意味合いが強いのかもしれません(特に、日本で苦労して留学した経験を持ち、現在、中国で活躍している経営者に多いです)。

温泉権つきの住宅やマンションなど、中国では買えない物件が買えることも大きな魅力のようです。自分の息子や娘たちが、将来日本に留学した際、そこを住居として使ったり、日本に遊びに行ったときに、そこを拠点とすることも可能です。中国人にとって、このようないろいろな思惑や楽しみが入り混じっているのが、日本不動産なのだろうと思います。

「日本不動産のバブル後の低迷を見れば、もう下ぶれのリスクは少ないだろう、買い安心感がある。そうならば、今のうちに日本の不動産にも投資しよう」、そう考える中国人が意外に多いように思います。

これまでの投資ノウハウ

第3章
第3回
第2回
第1回

第2章(全18回)
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回

華僑・中国人の投資ノウハウTOPへ
金融株式投資情報TOP