華僑・中国人投資ノウハウ「チャイナマネーを追え!」【第5章】:第3回

第5章:海外不動産入門☆その他の国・地域編

第3回

■シンガポール(2)

また、昨今のシンガポールの高級不動産市場は、香港との価格連動性を強めています。たとえば、アジアの富裕層の資金が、金融センターとして競合関係にある上海や香港、シンガポールの都市間にある物件価格差を狙った裁定取引に働きはじめているとの指摘があります。

リーマンショック後、世界金融危機の影響を受け、シンガポールの経済も大きなダメージを受け、不動産市場も大きく調整しました。2009年前半までは香港同様、悲観論一色で、2009年初頭の段階で、同年通年のGDP予想は前年比10%ダウン、住宅価格は前年比25%から30%の下落を予想していました。ところが、同年第3四半期に入ると、経済が持ち直し、GDP予測も前年比6%プラスに修正されました。不動産価格も、前期比15.8%の上昇となり、大きくリバウンドしました。

中国、香港、シンガポールは史上最低金利水準となったことから、いずれも経済がV字回復し、不動産市場も急速に回復しました。上海や北京などのマーケットが急回復することにより、前述のとおり、富裕層のお金が香港に流れました。そして、近年起こっている香港とシンガポールの不動産価格の連動性から、シンガポール不動産も買われていると言われています。

シンガポールは、大陸の中国人の子弟の留学先として人気が高いほか、香港同様の投資移民プログラムを持っていることから、チャイナマネーの投資資金が入りやすくなっています。オフィス市場や住宅賃貸市場の回復が遅れる中で、住宅価格が上昇したことは、低金利とテーマパーク整備、チャイナマネーを中心とする海外投資マネーの流入が原因と言われ、政府もにわかにバブル対策をとったほどです。

日本人にとっては、買い物やテーマパークツアーのできる国として人気の高いシンガポールですが、香港同様、投資金額はかなり高額となり、歴史的に賃貸利回りも2%から3%と非常に低く、短期的には周期的な価格の上下を捉えたキャピタルゲイン狙いの市場ですので、それなりの資金と市場感覚が必要です。

とはいえ、移民受け入れや出生率増加政策によって人口増を図るという国家としてのビジョンが明確であり、住宅需要が堅調であることを考えると、中長期で狙うにはいいマーケットです。先にも述べましたが、国にビジョンがあり、国家が戦略的であるという点で投資対象としては、安心感があります。ただし、タイミングとしては、政府のバブル対策による市場動向を注視する必要はあるでしょう。

第5章
第3回
第2回
第1回

第4章(全17回)
第3章(全8回)
第2章(全18回)
第1章(全15回)

華僑・中国人の投資ノウハウTOPへ


金融株式投資情報TOP