通貨の価値?


(2008/02/22)

日本では増税論議が盛んになってきました。

財政均衡に向けて、成長路線案には後ろ向きになり、歳入増大策への根回しをしているといったところでしょうか。短期的には、歳入を増やすわけですからいいかもしれませんが、それによって成長が阻害される、そして歳入減となって、赤字は減らないことになるでしょう。

さすが、社会主義国・日本。「自由」の国へ移住しませんか?と言いたくもなりますよねー。

選挙の苦戦からの一発逆転を狙う秘策とはいえ、大減税を公約したハワード首相(オーストラリア)とは、彼我の差を感じざるを得ませんね。

そんな日本の「円」について、もう一度考えてみます。

通貨の価値は、絶対的なものではなく、あくまで相対的なものであることは、再三述べてきたと思います。

よって、円高・円安となるのは、他の通貨との比較においてということです。

実効為替レートで為替をみる習慣も少しずつ根付いてきましたが、この実効為替レートも、バスケット通貨に対していくらかを計算し、その値が基準年と比較してどれだけになったかを、基準年を100として表しているのですね。

この実効為替レートの計算の中には、重要な示唆が含まれています。この計算の元となるバスケット通貨は、貿易量で加重平均されているということです。

今、この貿易量が大きく変化しようとしてきているのです。

通貨は、ドルやユーロに対してというように先進国間の価値で見ているのですが、新興国の貿易の比重が高まってきているのです。特に、近年のように資源価格が高騰してくると、資源を持っている新興国が多く、これまでの価値基準がずれてくるとも考えられます。

ここで前々回に述べた為替の決まり方を考えてみましょう。

国民所得が伸びる、つまりGDPが大きくなる国の通貨が強くなるという理屈でした。

資源高になると、資源国にマネーが流入し、それにより生産力がアップし、GDPが増大します。GDPが増大することにより当該通貨が強くなり、貿易相手国ベースでさらに資源価格が上昇し、よりマネーが流入し、生産力アップ、GDP増大、当該国通貨価値上昇という循環が生まれることになります。

翻って、資源を持たない国、かつGDPが伸びない国、つまり日本の通貨「円」は相対的に弱くなっていくことになります。

では、ドルはどうなのか、ユーロはどうなのか、という疑問をお持ちになるかもしれません。GDPを決定する要因は、生産力だけでなく、人口の伸び率があります。米国は未だ人口が増え続けています。ユーロ圏は、EU加盟国を増やし続けています。

カナダ、オーストラリアには資源もあり、人口も増えています。

こうして考えてくると、日本が一人だけ、GDPを伸ばす要素がないのです。

一つだけ微かな期待が持てることは、代替エネルギーの開発ということなのですが、技術を独占することは不可能なので、厳しいですね。

結局、人口が減少するということが30年以上前からわかっていながら、何もしてこなかったのは政府・官僚の責任なのですが、これを非難していても始まりません。

自分の身は自分で守る、つまり自己責任で、資産運用、海外投資をしていかなければならないのです。

過去のコラム
第3回:通貨の価値?
第2回:通貨の価値?
第1回:通貨の価値?(無料)

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