資産運用のテクニック(第2限)

講座C:信用取引を活用しよう2


(2008/05/02)

前回、ディレクショナル・トレードはリスクが高いという話をしました。実際、プロのトレーダーでも一方向にかけるトレードをしている人は少なく、プリミティブな日本の金融機関くらいではないでしょうか。外資系の証券会社のトレーダーたちは全くディレクショナル・トレードをしないというわけではありませんが、基本的には売りと買いを組合せた取引をしています。今流行の言葉を使えば、「マーケット・ニュートラル戦略」を使った取引手法です。

マーケット・ニュートラル戦略を簡単に説明しますと、何らかの原因で割高な株式を売り割安な株式を買うことによって、マーケットの方向に対しては中立なポジションを作り、その原因が解消した時に割高な株式が下落した時や割安な株式が上昇した時、またはその両方が生じた時にそのポジションを閉じて利益を確定するものです。

マーケットの方向に対して中立という意味は、マーケット全体が上げた場合(下げた場合)は売っている株式は損をする(儲かる)代わりに買っている株式は儲かる(損をする)ので、相場がどう動こうとそのポジションの損益が一定ということです。

さて、我々も信用取引という武器を手に入れ、持っていない株式を売るということができるのですから、売りと買いを組み合わせたポジションが造成できるのです。

マーケットニュートラルの一種で、「ロング・ショート戦略」という手法があります。ロングとショートを組み合わせて、デルタ(ディレクションに賭ける割合)をゼロにした戦略があります。

今回の急落局面で、商社株がマーケット以上に急落したことは記憶に新しいと思います。これは、このロング・ショート戦略の巻き戻しと言われています。

つまり、これまでは上昇率が激しい商社株などを買って値動きの小さな、動きの鈍い株を売ってきた向きが反対売買したと言われています。

一般的なマーケット・ニュートラル戦略の組み合わせは、同一業種内の同等の企業を組み合わせるのが普通です。例えば、不動産業種の中での同等な企業の組合せと考えられるのは、三井不動産(8801)と三菱地所(8802)の二社が考えられます。電気業種関連では、松下電器(6752)とシャープ(6753)や、ローム(6963)と村田製作所(6981)などいろいろ考えられます。

次に割高・割安の分析ですが、これも様々なクライテリア(基準)があると思いますが、例えばPER(株価収益率)に注目して、一方が来期の利益予想が大幅に上方修正されPERが大幅に低下したままであり、他方は株価が上昇してPERが一定水準に保たれているような時に、前者を買って後者を売るということが考えられます。

信用取引という「売り」から入る手段を得ることによって、トレーディング手法が広がりますね。

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