21世紀経済のフレームワーク?


(2008/05/23)

今日から新しいシリーズのスタートです。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉があります。

また、「歴史は繰り返す」という言葉もあります。

現代金融史の中で、まさに現在に繋がっている90年代から掘り起こし、21世紀を展望していきたいと思います。

平成、21世紀と新しい時代カウントに入るたびに、大不況が訪れています。平成元年は言わずとしれたバブル崩壊の年であり、21世紀の始まりはITバブルの崩壊によって始まりました。

来るべき2010年を迎える前に、その原因を探って生きたいと思います。

バブルの崩壊と崩壊前夜を経験した1990年代とはどういう時代だったでしょうか。

それは、米国が一国世界支配(ヘゲモニー)をほぼ完成させたデケード(10年)であったといえます

90年代は、アメリカン・スタンダードをデファクト・スタンダード(事実上の規範)としてグローバル・スタンダードにしていく過程の10年でありました。

その中でBIS規制と時価会計はその二本柱といえます。

BIS規制は、表向きは国際的な銀行が健全に、かつ平等に競争できるような土俵を準備するものでありましたが、実際の意図はバブル期の邦銀のオーバー・プレゼンスを抑制するためでした。

つまり、邦銀は過小資本で海外資産を膨張させ、世界金融の覇者となる勢いでありましたが、それを抑制する手段としてBIS規制が導入
されたのでした。

90年代前半の米国は、S&Lの破たん処理に追われる金融危機の真っ最中であり、とても邦銀に対抗する余力はありませんでした。経済的にも貿易赤字、財政赤字という双子の赤字に苦しめられている状況でもあったのです。

そこで、自己資本規制という楔を邦銀に打ち込むことにより、相対的に米銀の復権を果たそうとしたのです。

もう一つの邦銀対策として導入したのが時価会計です。邦銀は期間損益の概念しかなく、体力にものをいわせて無謀なリスクを取ってきましたが、時価での損益認識をさせることにより、無謀なリスク・テイキングを抑制し、邦銀のプレゼンスの低下を促したのです。

この二つの対策で邦銀を押さえ込んでいくことにより、日本の優秀な企業の世界進出をも抑制しようとしたのでした。実際、日本は、初めに書いたように、平成の始まりと同時にバブルが弾け、90年代の持続的な株価下落の過程で邦銀は凋落していったのでした。

このように米国は、アメリカン・スタンダード、平たくいうと、米国流のやり方をうまく世界標準にすることで、米国企業に有利なような仕組みを世界のルールとして浸透させ、日本のような出る杭を打ち据えていったのです。

もちろん全てが米国にとって順風満帆だったわけではありません。90年代前半は景気低迷と金融危機の吹き荒れていた時代だったのです。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が売れていた時代です。

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