21世紀経済のフレームワーク?


(2008/06/13)

90年代に続く21世紀はどのような時代になるのでしょうか?

90年代末から大きな影響力を生じてきたものが幾つかあります。インターネットの普及であり、それを使った消費者のアービトラージ活動であり、レバレッジを駆使できる環境です。

今回は、こうした影響がどのように世界経済に影響を与えていくかを概観していきたいと思います。

これまで金融の世界で高度なコンピューター・システムと閉じられた通信環境により行われてきたことが、90年代中盤からインターネットが急速に普及し、インターネットと通信環境の高度化により、個人が同様な活動ができるようになりました。

例えば、為替トレーディング。90年代までは金融機関に独占されてきた為替取引ですが、インターネットの普及により、金融機関とほぼ同等の条件で、個人にも為替取引が可能になったことが挙げられます。実際に、為替取引量でも、個人投資家の取引量の比重がかなり高まり、為替決定への影響力は飛躍的に高まっています。

消費という観点からは、これまでは供給サイドが需要を推し量り商品を供給し、消費者は限られた商品の中からしか選択することができませんでした。しかし、インターネットの普及により、消費者は世界中の商品の中から、自分の嗜好にあったもので最も安いものを選択できるようになったのです。

こうしたショッピング(売り手同士を競合させ、継続的に価格を下げさせ、しかも品質を向上させること)を行うことができるようになったお陰で、広い意味でのアービトラージという手段を個人が手にすることになったのです。そうした変化により、個人、すなわち消費者主体の経済への変化がまさに始まったのです。

消費者主体の効果として語られていることが、90年代中後半のアメリカン・パラドクス‐低インフレと低失業率の両立‐なのであります。

これまでの経済学では、好況により需要が増大すると、労働投入の限界に達し生産が追いつかなくなり、賃金と価格の上昇につながり、インフレが起きるとされてきました。そのため、持続的な経済成長には限界があるとされ、景気循環論が幅を効かせてきました。

90年代の米国は、その景気循環すらもう存在しないというニュー・エコノミーの時代とまでいわれました。その真偽はともかく、着実に消費者の時代となっているとはいえましょう。

国家として経常赤字で累積債務国の米国が繁栄し、経常黒字国で、世界最大の債権国である日本が不況のどん底にあるいう事実からも、新しい時代は消費に主導権があることを示唆しているのです。その米国の成功の中に、21世紀の姿のヒントが隠されているのではないでしょうか。

それはもはや、国民国家という経済単位が意味を無くしつつあるのかもしれません。前述のITの発達とそれによる消費者の力により、世界が一つに統合される動きとは別に、国民国家という単位を超えてボーダレス経済という単位が至るところで形成される時代となってきたのです。

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